ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

椿の顔を覗き込む。
椿は警察官の言葉に真っ青な顔をして答えられずにいた。

「椿。俺の家に来るか？心配なら凌駕も泊まらせる。一人でいるのも、かといってよく知らない施設に行くのも嫌だろ？」

ただでさえ対人恐怖症気味の椿が見ず知らずの人だらけの保護施設へ行くことはかなりの負担だ。
かといって一人危ない部屋に返すのも不安を感じていた凌駕もすぐに椿の方へ近付いた。
「そうしようよ。椿ちゃん。俺たちが椿ちゃんを守るからさ。」

凌駕の言葉に後押しされて椿は小さく頷いた。

椿は病院から一度警察官と一緒にアパートへ戻り現場検証をすることになった。
海と凌駕もついて一緒に部屋へ行き、その後簡単な荷造りをしてから海の家へ向かうことにした。

「お店は・・・」
椿が退院の手続きが終わり会計を待っているときに凌駕に聞いた。
「今日は臨時休業。俺たちそれどころじゃないから。」
「すみません・・・」
財布を持っていなかった椿にかわり海は会計をしている。