ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
場の空気を変えようとバカなことを言う凌駕に海が「ばかか」と言いながら視線を送る。
そんな二人の雰囲気に椿は肩の力を抜いた。

自分のアパートなのに・・・
椿はカギを開ける動作すら、手が震えてうまくできなかった。

忌々しい記憶がよみがえってくる・・・。
出勤しようとして部屋に無理やり戻されたときの恐怖が蘇り全身ががたがたと震えた。

警察官も椿の気持ちを察して代わりにカギを開けたり、事情聴取配慮して進めている。
『ガタンッ』めまいに襲われて足元がふらついた椿をすかさず海が抱き留めた。
「平気か?」
「ちょっと座ったほうがいいんじゃない?」
凌駕もすぐに椿を支えるのを手伝う。
「ごめんなさい・・・」
椿のあまりの動揺する姿と、事情聴取の内容に海も凌駕も心が痛んで仕方なかった。

警察官は椿の状態も考えて事情聴取を終わらせた。
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