ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
「遅くなりました」
凌駕が遅れて車に乗り込んでくる。
「あったのか?財布」
「はい。昨日のズボンのポケットに入ってました」
「・・・ばか」
凌駕らしいぼけ方に海がため息をつく。
「行くぞ」
海はハンドルを握って車を走らせた。

走る車の中でも椿はうつむいたままでいる。
「大丈夫?」
凌駕も心配で椿の顔を覗き込む。
「・・はい・・・」

椿が海の部屋に来てから一週間が経とうとしていた。
警察は何をしているのか、男をまだ見つけられないでいる。
その間にも椿の不安は募っていた。
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