ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
『名前?』
『そう。名前。』
『俺はなんだっていいよ』
香菜が言い出した店の名前。
店を出すのはまだまだ先だ。まずは学校を卒業してからだというのに、突然将来出す予定の花屋の名前を決めようと言い出した。
『ちゃんと考えて』
突然言い出したのにも関わらずあまりに真剣な香菜の表情に海は香菜の方を見た。
『で、候補は?』
『Eternal』
香菜の中ではまるでその名前が決まっているかのような口調に海は笑う。
『永遠?』
『不滅。永久。果てしない。とか・・・』
『いいんじゃないか』
『本当にそう思ってるの?』
香菜が海の方へ近付く。海はそんな香菜を抱きしめながら言う。
『いいじゃん。Eternal。』
『ずっとずっと誰からも愛される花屋にしたいの。それに』
『それに?』
『私たちもね』
耳まで真っ赤にして言う香菜に海は口づけた。
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