ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
「海だ~!」
凌駕は海に着くとすぐに海に向かって走り出した。

花屋の休みは平日で、あまり海にも人はいなかった。
こういう時、休みが世間と違っていると得することもある。

「荷物運べよなー」
そう言いながら海も笑っている。

「椿はこれ」
海は椿に軽い荷物を渡して自分は重い荷物を両手に持ち、凌駕の方へ向かった。

さりげない気遣いが椿にはうれしくてくすぐったい。

生まれて初めて感じる感情に、椿はどうしていいかわからなかった。
それでも心地よさに、海の背中を必死に追いかけた。
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