ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
椿はそっとベッドから抜け出した。

まだ長時間立っていることはできない。

でも、やらなくては・・・


動かない右手をかばいながら椿は一人、その時のために自分で自分の体を動かす練習を始めた。

何度も床に倒れながら、そのたびに歯を食いしばって思い浮かべるのは海の顔だった。




涙すら拭いながら立ち上がり、動ける時間を長くできるように・・・

椿は自分の体に鞭打って”準備”を始めた。
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