ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
そのころ凌駕は一人店にいた。
とっくに店は閉めている。


閉店後の店に一人でのこり、作業台にある椅子に座って一人店を眺めていた。



姉と海が付き合っている時から知っている凌駕。
2人がずっと一緒にいることが当たり前で、いつの間にか自分の本当の兄のように海を慕って来た。

恥ずかしくてぶっきらぼうにしていても、やっぱり姉が大切だった凌駕。
はじめは海にやきもちをやいたことだってあった。でも・・・海と一緒にいるときの姉の姿をずっと見ていれば、姉にとって海は必要な存在で、二人でひとつのような存在なのだと思い知った。

姉が海といるときの表情は、長年家族として一緒に過ごしてきた凌駕も見たことのないような表情ばかりだった。
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