ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
次の日。
海は早起きして香菜のお墓に花を手向けていた。

『姉貴は言ったんです。花屋が夢なんじゃない。兄貴との幸せを思い浮かべた時に、花屋をしている自分たちを想像したんだって。大好きな花に囲まれて、大好きな人と一緒に過ごせて、誰かにその幸せを花束にして贈りたいって。それが姉貴の夢だったんです。兄貴とだから願った夢なんですよ。』

大きな花束を墓前に手向けて手をあわせ、目を閉じる。
そして目を開けると海は話始めた。
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