ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋

海は凌駕には嘘がつけないと思い「タバコ吸ってくる」と裏口に向かった。

「このカードなに？」
凌駕が椿の持っていたカードに視線を向ける。
「実は・・・」

話をする凌駕と椿から離れていつもの場所で煙草に火をつける海。

空を見上げながら煙草の煙が空に上がっていくのを見る。

先の自分の反応はなんなのかを考えていると、ふと懐かしい記憶がよみがえった。


『海は字が汚いからダメ。これは私の仕事なの』
花が好きだった香菜。二人で始める花屋は香菜の夢だった。
夢を間近にしたとき、香菜は店に飾るディスプレイの一部として、自分で書いた花の紹介ポップをつくっていた。
『そんなのパソコンで作ればいいじゃん』
睡眠時間を削って作業をする香菜に海がそういうと香菜は頬を膨らませて海をにらむ。
『わかってないなー。手書きだからいいんでしょ？私はパソコンで打ち込んだものじゃなくて、もっと花にもお客さんにも愛を込めたいの』