ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
自分の反応に驚きながら、海は気のせいだと言い聞かせて作業に戻った。
なぜか、椿に視線を向けてしまう自分がいる。

「まだいたんですか?」
その時店の裏口から凌駕が入ってきた。
「お疲れ様です」
椿が凌駕に頭を下げる。
「大丈夫だった?今日一日」
「はい。凌駕さんのくださったメモのおかげでなんとか。」
「よかったー。」
凌駕は心配のあまり、車を飛ばして店に戻ってきたのだった。
「もしかしたらまだいるかもしれないと思ってさ。」
「ご心配、ありがとうございます。」
「帰っていいって言ったのに。」
海も会話に加わる。
「だって店長も心配してたじゃないですか」
「俺は心配はしてなかった」
「嘘ですね」
凌駕がするどい視線を海に向ける。
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