ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
いつもぶっきらぼうな海の丁寧な姿勢と言葉に椿はかなり緊張している。

「これは俺からの採用プレゼント」
凌駕が大きな箱を椿に渡す。
重そうに受け取った椿に凌駕は「早く開けてみて」と催促をした。

椿が箱を開けるとそこから出てきたのは真っ赤な踏み台だった。

「ここは俺たちの身長に合わせたものの配置になってるから、椿ちゃん届かなくていつも脚立を裏から持ってきてたでしょ?俺からのプレゼントは椿ちゃん専用の踏み台です!」
「ありがとうございます」
椿が遠慮がちに微笑む。

「ようこそ、Eternalへ」
凌駕の言葉に椿は目を輝かせた。
「・・・頑張ります。ありがとうございます。ありがとうございます。ありがとうございます。」
何度も何度もお礼を言う椿。どんどんとうつむいていく椿に凌駕が声をかける。
「椿ちゃん?」
「・・・うれしいです」
「泣いちゃった?」
凌駕の言葉に海も椿を見る。
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