ワケあり花屋(店長)とコミュ障女子の恋
「うれしくて・・・すみません。止めます。」
椿がごしごしと自分の涙をこぶしで拭おうとする。
「ばか。男前な拭き方してんな。」
そう笑いながら椿にティッシュを差し出したのは、凌駕ではなく、海だった。



また、海が笑っている。

姉が亡くなってから笑わなかった海が、椿が店に来てから笑顔を見せるようになったことに凌駕は驚きを隠せない。


これから何かが変わっていくような気がする凌駕。
もしかしたらもう変わり始めているのかも知れない。

そんなことを考えながら椿の瞳から流れるあまりにきれいな涙を見つめていた。
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