愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「俺も手伝うよ、何かすることない?」
「じゃあ食べ終わった後に洗い物をしてもらうから、今のうちに準備して」
「……わかった」
ようやく瀬野から離れることに成功した。
私はひとり、キッチンに立つ。
もう朝と昼ご飯の兼用だろう。
何を作ろうか。
「んー…」
一応初日だし、ちゃんとしたものを作ろうと思い、オムライスとスープにした。
部屋に戻ると瀬野はもう準備を済ませており、昨日に洗濯しておいた制服を身に纏っていた。
「洗濯もご飯もありがとう。
本当に良くしてもらってるなぁ…」
「それがわかってるなら私を苛立たせないでよね」
「わざとじゃないんだけどな」
「どうせ私の反応が見たくてしてるんでしょ?
それが腹立つの」
「厳しいこと言うね、川上さん」
なんならその余裕そうな表情すらも腹が立つ。
きつく瀬野を睨むけれど、彼の表情は変わらない。
ふたりでテーブルを挟み、ご飯を食べる。
テレビをつけることで瀬野と言葉を交わすことは阻止していた。
静かな部屋でご飯を済ませた後、瀬野に洗い物を頼んで私は準備をする。