愛溺〜偽りは闇に堕ちて〜
「もう本当に嫌!
誰が瀬野に守られるものか!」
きつく睨んで私はベッドから降りる。
そんな私の様子を見て、瀬野はクスクス笑っているから腹立たしい。
「それだと川上さんに危険が及ぶよ?」
「あんたが巻き込んだんでしょ!」
「だって川上さんとの関係を断ち切るのは惜しかったから」
なんという理由だ。
たかがそれだけで私を危険に巻き込んだのか。
「もう川上さんは敵に顔がバレてたから、俺たちに守られるしかないんだよ」
「…っ、あんたって本当に…」
人間としてどうかしてる。
私をそれほど危険な目に遭わせている自覚はあるのだろうか。
「大丈夫。俺が守るって約束するから」
「……もし怪我を負わされたら?」
「俺に嫁ぐ?」
「ふざけるな、気持ち悪い」
完全に先手を打たれた。
これを防げなかった私にも非があるのだろうか。
いや、私に非があるとすればあの日瀬野を家に泊めたことだろう。
そこから全てが狂ったのだ。
「はぁぁ…」
「そんなため息吐かないでよ」
「来ないで!
ご飯作ってくるから大人しく出かける準備して!」
瀬野はベッドから降りて私の隣にやってきたため、すかさず離れる。