忍君のセカンドラブ~歳の差30歳以上~
話しがついて、冬季と別れた雪ことフェアディーは、忍の家に行く事にした。
フェアディーに抱かれている愛は、とてもご機嫌でずっと笑っている。
家までの道のりを、楽しそうに話して歩いて来た忍とフェアディー。
帰り道の間に、フェアディーが話してくれた。
新月と満月の時、妖精界と人間界の道が繋がり遊びに来ることができるが、月の効力がなくなる前に帰らないと帰れなくなってしまう。
忍と初めて会った時は、満月で偶然遊びに来ていたフェアディー。
二度目の時は新月で引き止められてしまい、ちょっと焦っていたが。
明け方、まだ月の効力が残っていて、なんとか帰ることができた。
暫くして、愛がお腹にいる事が分かり、とても驚いたがフェアディーだったが、忍からもらった大切な命を産んであげたいと思い産む決意をした。
フェアディーの両親は、全てを理解して出産には協力的で力を貸してくれた。
しかし愛が産まれて、やはり忍の子供だから返そうと思ったフェアディーは再び人間界に来た。
そんな時、冬季の車とぶつかって記憶を亡くしてしまったのだ…。
「ただいま」
忍が帰って来ると、幸喜が帰っていた。
「お帰り、お爺ちゃん」
「幸喜、帰ってたのか。今日から、1人家族が増えるけど宜しくな」
幸喜はフェアディーをじっと見た。
「お姉ちゃん、いらっしゃい。やっぱり愛ちゃんの、お母さんだったんだね」
「え? 気づいていたの? 」
「うん。お姉ちゃんと愛ちゃん、同じ妖精さんだもん。すぐ分かったよ」
驚いた目で幸喜を見ているフェアディー。
幸喜はちょっと悪戯っぽく笑た。
「驚いた? お爺ちゃんも、僕と一緒で人には見えないものが見えるんだよ」
「え? 」
「いやいや、私はもうそれほど見えなくなったよ。亡くなった人の声しか聴けなくなったからね」
「忍さん…やっぱりすごい人だったのですね」
話しながらリビングに行くと、夕食の準備が整っていた。