お嬢様と呼ばないで
同級生の男子、石田に尋ねられた美友は、面倒だからとはっきり言った。
「だって。SNSを見ても誹謗中傷とか意地悪を書かれるんでしょう?だから私は必要な事しか見ない事にしているの」
「でもさ。自分だけ連絡来ないと寂しくないかい?」
「そうかも知れないけど……わけのわからない連絡も嫌なの」
「わかったよ」
可愛い彼女は確かに面倒があるかも知れないと思った石田は返信しなくてもいいから連絡だけ受信してほしいと言った。
「それでどうかな?」
「うん。本当にそれでいいの?」
「いいよ。読むだけで」
こんな交流を疾風は黙って見ていたが、芹那が彼の肩を叩いた。
「いいの?仲良さそうだけど」
「ああ。クラスの人とも仲良くしてもらわないとな」
「そうかもね。酒星君、付きっきりになっちゃうもんね……」
そんな朝であったが、この後1年の全クラスで交通安全についての授業が始まった。
講師は元警察官と言い、放送で講和を始めた。
『ええ。まずですね。最近は高校生の自転車の脇見運転による交通事故が増えています』
これ以外は歩きスマホ、音楽を聴きながら自転車の運転もダメだと老講師は話した。
『いくら損害保険に入っていても。他人に怪我をさせてしまうとあなた達の一生の心の傷になります!絶対やめなさい』