お嬢様と呼ばないで

3 運命の赤い線

16 運命の赤い線

芹那のツッコミにほっとした疾風をすみれはじっと見ていたが、彼女は二人にやりたい役員を聞いてきた。


「私はそうだな。体育委員かな」

「運動神経良さそうだしな。俺はどうするかな?花雲は」

「お、俺か。どうするかな」

疾風の隣の席の花雲良平はそう言ってちらとすみれを見たが、彼女はこれに気がつかず生き物係が良いと言っていた。


こうして生徒の希望を黒板に書いていくと、責任のない役員に人気が集中し、委員長の三役が決まらないと言うお約束のパターンになっていた。

「すみれちゃんの生き物係は他に希望はいないから決まりか」

「男子の枠はまだだな」

この疾風の呟きを聞いた彼はすっと手を挙げた。

「……はい!俺、花雲です!生き物係が良いです」
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