お嬢様と呼ばないで
「だって、みんなクラス委員を遠慮しているんですよね?これならみんなで気兼ねなく立候補できますし」
ここで同級生達は美友は大きなる勘違いをしていることに気がついた。
「もしかして君さ。みんながクラス委員をしたがっていると思っているの?」
「違うんですか?」
男子の鶯沢に美友はキョトンとした顔をした。
「って言うかさ。君がいいんじゃないの?こうやって立派に仕切っているし」
「何言ってんだよ?美友には無理だって」
「酒星君。もう遅いよ……」
疾風と芹那の声も虚しく大きな拍手で美友が選出されてしまった。
ここで男らしく疾風がすっと立ち上がった。
「先生、俺が副委員長をやります」
「良かった?では桜田さんは、本当に良いんだね?」
「はい。こんな私で良ければですが」
イエーイと同級生が拍手する中、疾風は先ほどの鶯沢をサッと見た。
「でもさ。書記がまだだし。これってさ。やっぱり彼女を推薦した彼にお願いしたいんだけど」
「俺?」