三次元彼氏。
そんなことにでもなったら、きっとまた早瀬が僕を、あの面白がった目で見るんだ、きっとそうだ、それだけはもう御免だ…………
「っじゃあ、今日はこれで…」
「ほのか」
「っ!」
帰ろうと体の向きを変えようとした彼女を、咄嗟にそう呼んでいた。
「……え……」
驚いて振り返った彼女が僕を真っ直ぐ見つめてくる。
あまりにも真っ直ぐ見られた僕は、最初の早瀬の冷やかしから逃れたいという気持ちよりも、だんだんと恥ずかしさの方が勝り、思わず顔を俯けた。
「……あの、ごめん、嫌だったら、もっと別のを……」
「嬉しいです」
その言葉に思わず顔を上げた。
「男の人に呼び捨てされるの初めてなんです。いつかしてもらいたいなって思ってたんです」
「え……」
彼女はなおも頬を染めながら、嬉しそうに笑った。
「……あの、じゃあ、今から………ほのか、って、呼んでいいですか……?」
「もちろんです、お願いします!」
よ、よかった……………!
「…じゃあ……ほ、ほのかは、僕のこと、何て呼びますか…? 好きに、呼んでもらっていいですよ」
「えっ…………と……」
そう声を掛けると、彼女はまた目を逸らした。