……秘密があります
みんな酔っているので、なにをやっても拍手喝采なのだろうに、芳賀は意外に難しいマジックをやってみせた。
「さ、お次は催眠術。
本日、僕の実験台になってくれる美女は、みんなお馴染み、笑顔と配達物をいつも運んでくれる総務の綾城羽未ちゃんです~」
酔った面々から拍手が起こる中、なにやってんだ、という顔で帯刀がこちらを見ていた。
……よかった。
野郎どもに囲まれてますね、と羽未もちょっと酔った頭で思う。
帯刀は木の下に男連中と共に居た。
「はい、そこ座って、羽未ちゃん」
と芳賀が小さなレジャーチェアを持ってくる。
座りながら、羽未は今、芳賀が言った言葉を頭の中でリピートしてみた。
……催眠術っ!?