……秘密があります
「来たんだ」

 士郎は羽未たちの顔を見渡したあとでそう言ってきた。

 ……なにが?
と帯刀と二人、身を乗り出す。

 まだ二人の頭は妖怪に支配されていたので、いろんなものが訪《おとず》れていた。

「すごい逆玉の話だ」

 へえ、と羽未は言った。

「よかったじゃない、シロさん」

「うん。
 だがな、迷ってるんだよ。
 俺にはお前がやっぱり合ってる気がして」

 なんだろう。
 その私自身には選択権のない感じ、と羽未は思う。
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