……秘密があります
仕事に戻った羽未は頼まれていた備品を載せたキャリーカートを押しながら、さっき通った渡り廊下をまた通っていた。
帯刀に連れ込まれた倉庫をチラと見る。
『その三つがなんなのか。
これからじっくりお前にわからせてやる』
という帯刀の言葉を思い出し、
……なんだかわからないが怖いな、と思っていた。
総務の仕事は重い荷物を抱えることもあって大変だが、社内をぐるぐる回るのでやせられる。
いいと言えばいいんだが。
喉乾いたな。
備品を配り終えた羽未はキャリーカートを廊下の隅にある自動販売機の側で止め、ジュースを買おうとした。
だが、お金を入れた瞬間、商品がガシャン、と落ちてきた。
横から誰かが勝手にボタンを押したようだ。