私立秀麗華美学園
雄吾の今言ったようなことは、家柄的に姫より劣る騎士なら誰もが思うことだ。
そしてそんなことは、俺たちの日常にはありふれていると言っても過言ではない。


「そんなこと言ったって、しょうがねえだろ。そういうこと思ってんのは、お前だけじゃねえんだし」

「無理なんだよ。お前が一番よく知っているはずだ。俺のプライドの高さは」


なんとなんと、雄吾が自分のプライドの高さを認める日が来ようとは。
この発言にはさすがに俺も驚き、とっさに言葉が出てこなかった。


「駄目なんだ。もう。完璧じゃない自分が」


そういうと雄吾は肩を落とした様子で、真っ暗な奥の部屋へと引っ込んで行った。

……まさか、ここまでプライドが高く、扱いにくい奴だったとは。


「このプライドの塊ー!」


と、奥の部屋に向かって叫べたらどんなに胸がすっとするか知れないが、あの雄吾に向かってそんなことを言えるような勇気を俺が持っているはずもないので、遠慮することにする。

雄吾の入った部屋には、いつまで経っても明りが灯らなかった。



はあ。
もうなんか疲れたな。

これで明日から、雄吾は咲を執拗に避け続けるだろう。
そして咲は雄吾にうるさく質問を浴びせかけ、そっけない態度に嫌気が差すと、単純な咲は、一番近くにいるゆうかにストレスをぶつけるに違いない。

咲には寛大なゆうかにもやがていらいらが募り、ついにその矛先は俺の方を向くに決まっている。

今までの経験からしてそうなるのがオチだ。
そうならないうちにどうにかしなくては。

今の段階なら、ゆうかに相談するのが一番なのだろう。
と、また騎士は姫に助けを求めるのだった。
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