私立秀麗華美学園
しかし例に漏れず俺はこういう時かっこうのつかない運命なので、着地失敗どころか思いっきりグラウンドに転げ落ちた。


そりゃ、2階からだもんな。うん。しょうがないよな。今考えてみれば俺が一番重傷になった可能性はあったわけだ。


それでもなんとか立ち上がり、体勢を立て直し走り出す。

ゆうかの姿が見えた時、ゆうかはちょうど矢の存在に気づいたところだった。
が、既にゆうかと矢の間には寸分の間隔もなく……


本当なら初めからそうするべきだったのだが、頭が回らなかった。声を上げ、危険を知らせるべきだったのだ。
そして気づいた時にはもう遅い。

足はもつれ、前に進めない。
それでも叫ばずにはいられず、声を振り絞ろうとした。


喉の奥から声に近い音が飛び出す寸前、ゆうかの左側から何かが飛び出して来た。


大きな手がゆうかの腕をつかんで思い切り引っ張った。

手の主は、ゆうかと共に地面へ倒れ込んだ。



矢はむき出しのゆうかの腕すれすれを通り過ぎ、ゆうかを引っ張った笠井の肩をかすめて飛び去った。
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