私立秀麗華美学園
俺たちはまたひとしきり雄吾をからかったののち、追い出されるようにしてC組をあとにした。
そのあとは、ゆうかが係の仕事の時間になったので、俺は特に興味のない公演を見に行った。
がしかし、あまりに感動的な内容に、食い入るように見てしまい、公演終了後にはこみ上げてくるものがあった。
絶対にばれないようにとトイレで顔を洗ってゆうかと合流したのだが、即座に見破られた。
それから3時間ぐらい、うろちょろと模擬店をのぞいて回ったり、ライブを見に行ったり、咲や雄吾の親御さんに会って挨拶をしたりした。
途中、笠井雅樹に出くわしたが、相手に気づかれる前に俺たちは立ち去った。笠井進の方も見かけたが、フリーの女の子をはべらしていたので、俺はゆうかに気づかれないように方向転換をした。
そろそろ見て回るところもなくなった頃、例の豪奢な時計の針は5時を差していた。
学園祭終了は7時半、それから30分間片付けがあって、8時からが外部のお客さんお待ちかね、交流会だ。
とりあえず俺たちは、中庭の噴水のそばのベンチで休憩することにした。
「あ、見て見て!」
ゆうかはベンチに腰かけた途端、足元を見て言った。
「すごい。こんなところに。ヒメジオンだ」
ゆうかはその花を指先でそっと撫でた。
小さな白い花は、タイルと噴水の間の、ほんの小さな隙間の土から生えていた。
「ねえねえ、ヒメジオンといえばさ」
「ちょーっと待った。言いたいことはわかったけど、わかりません」
俺は慌てて手を伸ばしてゆうかを制した。
ゆうかはちょっとびっくりした顔をしてからけらけらと笑った。
「ヒメジオンとハルジオンの見分け方だろ。教え込まれた記憶はあるが、教え込まれた記憶しかない」
「すごいね。じゃあ、今度は覚えて。ハルジオンの花は柔らかいけど、ヒメジオンの花はぴんと張り詰めてる。それから茎。ハルジオンは空洞だけど、ヒメジオンは詰まってる……って和人、聞きなさいよー!」
俺はついと顔を逸らしていた。ちゃんと聞いてはいたが、ここで聞いていたという事実があれば、次に答えられなかった時が怖いので、保険をかけておくことにした。
そのあとは、ゆうかが係の仕事の時間になったので、俺は特に興味のない公演を見に行った。
がしかし、あまりに感動的な内容に、食い入るように見てしまい、公演終了後にはこみ上げてくるものがあった。
絶対にばれないようにとトイレで顔を洗ってゆうかと合流したのだが、即座に見破られた。
それから3時間ぐらい、うろちょろと模擬店をのぞいて回ったり、ライブを見に行ったり、咲や雄吾の親御さんに会って挨拶をしたりした。
途中、笠井雅樹に出くわしたが、相手に気づかれる前に俺たちは立ち去った。笠井進の方も見かけたが、フリーの女の子をはべらしていたので、俺はゆうかに気づかれないように方向転換をした。
そろそろ見て回るところもなくなった頃、例の豪奢な時計の針は5時を差していた。
学園祭終了は7時半、それから30分間片付けがあって、8時からが外部のお客さんお待ちかね、交流会だ。
とりあえず俺たちは、中庭の噴水のそばのベンチで休憩することにした。
「あ、見て見て!」
ゆうかはベンチに腰かけた途端、足元を見て言った。
「すごい。こんなところに。ヒメジオンだ」
ゆうかはその花を指先でそっと撫でた。
小さな白い花は、タイルと噴水の間の、ほんの小さな隙間の土から生えていた。
「ねえねえ、ヒメジオンといえばさ」
「ちょーっと待った。言いたいことはわかったけど、わかりません」
俺は慌てて手を伸ばしてゆうかを制した。
ゆうかはちょっとびっくりした顔をしてからけらけらと笑った。
「ヒメジオンとハルジオンの見分け方だろ。教え込まれた記憶はあるが、教え込まれた記憶しかない」
「すごいね。じゃあ、今度は覚えて。ハルジオンの花は柔らかいけど、ヒメジオンの花はぴんと張り詰めてる。それから茎。ハルジオンは空洞だけど、ヒメジオンは詰まってる……って和人、聞きなさいよー!」
俺はついと顔を逸らしていた。ちゃんと聞いてはいたが、ここで聞いていたという事実があれば、次に答えられなかった時が怖いので、保険をかけておくことにした。