私立秀麗華美学園
「正直に言えば、もっと頼りがいのある人がよかったなーなんて、子供心に思ってた時もあった。だからわたし、嫌われたてもいいやって思って、昔から自分勝手に振る舞ったり、和人のことを考えずに行動してたと思う」
「ま、まあ、好かれてないなとは、思ってたけど……」
そして今、それを過去形にできる自信を持ってはいないけど。
「それでも和人はついてきてくれた。それにだんだん、ただ頼りなくて気が小さいわけじゃなくって、わたしと言い争いをしたくないだけなんだって、わかってきたし。優しいから気弱に見えることとか。それでも、わたしの性格や和人に対する辛辣さは緩和されなかったけどね」
辛辣さは確かに緩和されなかった。今もされてない。
だけど、口調でわかる。
ゆうかは今、単に過去の自分を振り返っているわけではない。
そうすることで、俺に謝ろうとしているのだ。
「自分でも、やな女だなーって、思うんだけど……」
「謝らなくていいよ」
ゆうかは俺の顔を見上げると目をみはった。
「ゆうかはゆうかのままでいいし」
「……びっくりした」
ゆうかは目を大きく開いたまま、ぱちぱちとまばたきをした。
澄んだ瞳に、自分の姿が映りこんでいるのが見えた。
「今、ほんとにびっくりした。ごめんって言葉にして、言おうと思ってたわけじゃないけど、わたし確かに、謝るつもりで。……どうしてそう思ったの?」
「どうしてって、なんとなく口調でそうかなと」
「……すごい」
少し嬉しそうな顔をして、ゆうかはしばらく黙り込んだ。何かを思い出すように。そして……顔を思い切り、薔薇たちの方へ向けた。
「え、ちょ、ゆうか?」
「…………」
首は不自然な角度にひねられ、左肩と後頭部が同時に見えている。
俺は一瞬焦った。な、なんか禁止ワードとか言ったっけ。しかしすぐに気がついた。風に髪がなびいて、赤く染まった耳が見えたのだ。
「ま、まあ、好かれてないなとは、思ってたけど……」
そして今、それを過去形にできる自信を持ってはいないけど。
「それでも和人はついてきてくれた。それにだんだん、ただ頼りなくて気が小さいわけじゃなくって、わたしと言い争いをしたくないだけなんだって、わかってきたし。優しいから気弱に見えることとか。それでも、わたしの性格や和人に対する辛辣さは緩和されなかったけどね」
辛辣さは確かに緩和されなかった。今もされてない。
だけど、口調でわかる。
ゆうかは今、単に過去の自分を振り返っているわけではない。
そうすることで、俺に謝ろうとしているのだ。
「自分でも、やな女だなーって、思うんだけど……」
「謝らなくていいよ」
ゆうかは俺の顔を見上げると目をみはった。
「ゆうかはゆうかのままでいいし」
「……びっくりした」
ゆうかは目を大きく開いたまま、ぱちぱちとまばたきをした。
澄んだ瞳に、自分の姿が映りこんでいるのが見えた。
「今、ほんとにびっくりした。ごめんって言葉にして、言おうと思ってたわけじゃないけど、わたし確かに、謝るつもりで。……どうしてそう思ったの?」
「どうしてって、なんとなく口調でそうかなと」
「……すごい」
少し嬉しそうな顔をして、ゆうかはしばらく黙り込んだ。何かを思い出すように。そして……顔を思い切り、薔薇たちの方へ向けた。
「え、ちょ、ゆうか?」
「…………」
首は不自然な角度にひねられ、左肩と後頭部が同時に見えている。
俺は一瞬焦った。な、なんか禁止ワードとか言ったっけ。しかしすぐに気がついた。風に髪がなびいて、赤く染まった耳が見えたのだ。