私立秀麗華美学園
「石橋真二。俺のクラスの。馬渕未樹の騎士だ」

「ああ、あの雑種の犬みたいな奴だな。巻き毛の」


巻き毛っていうのか? あれ。しかも雑種って……ああ、でも種類で言えば確かに雑種かもしれないな。
ふむ、と一瞬考えてからこくりとうなずいた。


「受け付けたのか?」

「まー、一応。依頼料も持参してたから、ほら」


チャリ、と手の中の4枚を見せる。途端雄吾は、夏休みの宿題を見せられた小学生のような表情になった。


「面倒なことを」

「な、何を今更……」

「今はそういう暇つぶしをする気分じゃないんだ」

「なんか忙しいのか?」

「どうでもいい人間同士の仲を取り持つ暇があったら、咲と遊ぶ」


ええええええー!?
あ、遊ぶって。雄吾が、遊ぶって。


「お前、さては雄吾じゃないな」

「そんなことはないと思うけどな」

「趣味は?」

「読書、剣道、ネットサーフィン」

「特技は?」

「書道とハッキング」

「好きな四字熟語は?」

「明鏡止水」

「あ、雄吾だ」

「だろうな」


最低レベルに意味のない会話だが、相手が雄吾だと思うとにわかには信じ難い。


「自分でもそれなりに驚愕する程の、心境の変化だ」


雄吾は至って淡々とした口調で言った。
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