私立秀麗華美学園
これは予想だにしなかった展開だ。
雄吾やおそらく咲の手も借りずに、依頼を遂行しなければならない。前代未聞の大事件だ。
理由が理由なだけに、雄吾や咲を説得することはよしておこう。せっかくめでたしめでたしな状態で、しかも雄吾があんな珍しい感情を持ったのだから。
ほとぼりが冷めたらまた復帰してくれるだろう。
とにかくまずは真二に詳しい話を聞くことと、ゆうかに協力を仰ぐことだ。
どっちが先かって、そりゃ会いたい方に決まってんだろって話。
『……えええぇー……』
いつも通り寮の内線でゆうかを呼び出し、食堂かどこかで会おうと思った、が、来てくださいと頼んだ返事は上のようなものだった。
『和人と2人で、依頼遂行しなくちゃいけないの? それ、可能?』
「か、可能」
『そもそも和人、普段からどんな仕事してたのよ?』
それを言っちゃあおしまいです。
強いて言えば、ゆうかの機嫌を取ることだったが、それだけは口が裂けても言えやしない。
「だ、だから今回は働こうと」
『無理よー。可能とは思えないわよー。あのね、私今それどころじゃないの。大変なの』
「な、何が? そういや今朝も変だったけど。あの後よく眠れた?」
『あー、寝た寝たよく寝た。ちょっと寝不足だったみたい。ただねえ、今は人様のこと心配してる場合じゃないのー。だから悪いけど、じゃあね』
「ちょっ……」
まさかとは思ったが、ゆうかはそのままがちゃりと内線を切った。
受話器を置き、人目もはばからずその場に座り込む。
どうして俺の周りにいるのは、こんな人種ばかりなんだ……類は友を呼ぶんじゃないのかよ。
内線の順番待ちをしていた大人しそうな男子生徒が、うなだれた俺をそろそろとよけて、受話器を取った。やがて、楽しそうに会話をしている様子が伝わってくる。
ゆうかの協力を要請することに失敗した俺は、たった一人で馬渕の機嫌を直さなければ、数少ない友人の一人である真二からの信頼を、少なからず失ってしまうという状況下におかれてしまったわけだ。
絶望的。ネガティブだなんだと言われようとも、そう言わざるを得ない。
俺は見知らぬ男子生徒の笑い声を背に、とぼとぼと真二の部屋へ向かった。
雄吾やおそらく咲の手も借りずに、依頼を遂行しなければならない。前代未聞の大事件だ。
理由が理由なだけに、雄吾や咲を説得することはよしておこう。せっかくめでたしめでたしな状態で、しかも雄吾があんな珍しい感情を持ったのだから。
ほとぼりが冷めたらまた復帰してくれるだろう。
とにかくまずは真二に詳しい話を聞くことと、ゆうかに協力を仰ぐことだ。
どっちが先かって、そりゃ会いたい方に決まってんだろって話。
『……えええぇー……』
いつも通り寮の内線でゆうかを呼び出し、食堂かどこかで会おうと思った、が、来てくださいと頼んだ返事は上のようなものだった。
『和人と2人で、依頼遂行しなくちゃいけないの? それ、可能?』
「か、可能」
『そもそも和人、普段からどんな仕事してたのよ?』
それを言っちゃあおしまいです。
強いて言えば、ゆうかの機嫌を取ることだったが、それだけは口が裂けても言えやしない。
「だ、だから今回は働こうと」
『無理よー。可能とは思えないわよー。あのね、私今それどころじゃないの。大変なの』
「な、何が? そういや今朝も変だったけど。あの後よく眠れた?」
『あー、寝た寝たよく寝た。ちょっと寝不足だったみたい。ただねえ、今は人様のこと心配してる場合じゃないのー。だから悪いけど、じゃあね』
「ちょっ……」
まさかとは思ったが、ゆうかはそのままがちゃりと内線を切った。
受話器を置き、人目もはばからずその場に座り込む。
どうして俺の周りにいるのは、こんな人種ばかりなんだ……類は友を呼ぶんじゃないのかよ。
内線の順番待ちをしていた大人しそうな男子生徒が、うなだれた俺をそろそろとよけて、受話器を取った。やがて、楽しそうに会話をしている様子が伝わってくる。
ゆうかの協力を要請することに失敗した俺は、たった一人で馬渕の機嫌を直さなければ、数少ない友人の一人である真二からの信頼を、少なからず失ってしまうという状況下におかれてしまったわけだ。
絶望的。ネガティブだなんだと言われようとも、そう言わざるを得ない。
俺は見知らぬ男子生徒の笑い声を背に、とぼとぼと真二の部屋へ向かった。