私立秀麗華美学園
ダイエット……!?


「な……なるほど……!」


豆乳って、ああなるほど! 確かに、最近のゆうかの食事は低カロリーなものばっかりだったようだ。
言われてしまえばどうして気づかなかったのかと不思議に思うくらい、明らかすぎることだった。


『やっとわかった?』

「わかった」

『ダイエット、未樹の提案でやってるんだけどね、この間寝不足だったのも未樹に勧められたなんとかっていう体操をやってたからなの』

「そうだったんだ……」


いろいろな場面を思い返して納得がいって、俺は一人でうなずいた。


『でも全っ然気づいてくれないから、成果は出てないんだなあと思って、ちょっと不機嫌だったかも。もっとも、和人に対して機嫌良い時の方が珍しいけど』


じゃあ、馬渕が言っていたことはつまり、そういうことだったのか。

ということは、依頼も解決したってことじゃないだろうか。
真二の方でも今頃馬渕に突撃しているかもしれないが、要はそういうことだったのだ。


「全然気づかなかった。なんか、すいませんでした……」

『別にいいんだけどね。未樹につきあってただけだし、実際大して変化もないし』


……ってか、ダイエットって、ゆうかのスタイルのどこに改善すべき箇所があるのかなんて、見当もつかないんですけど。そりゃあ成果も表れないわけだ。


「あー、なんで気づかなかったんだろ。手間かけてすいません。それだけですんで、切って頂いて結構です……」


出来る限り丁寧に謝罪して、こっちから切るのは忍びないので、ゆうかの方から内線を切ってもらおうと思ったのだが


『…………それだけ?』


微妙に不満げな小声で、ゆうかはそう言った。


「え?」

『そ・れ・だ・け・?』

「それだけって……」

『それで、言うことは終わりなんだ?』

「え、あ、はい」

『……ふーん』


そして、唐突に内線は切られた。

ゆうかの言葉の意味を考えて、俺はそのまましばらく受話器を握っていた。

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