私立秀麗華美学園
それにしても、浴衣姿でナイフとフォークを操る6人。
なんとも不思議な光景だ。
「そういえば、和哉さんと那美さんは、今年度中にも御入籍なさるとか」
「はあ。まあ、あくまで予定にすぎませ「ええ、なるべく早くと思っております」
兄ちゃんの曖昧な言葉を遮った那美さんは、ナプキンで口元を隠してうふふと笑う。
「和哉は女の子のこととなると見境いがないので、那美さんは苦労するでしょうがな」
「見境いがないはないだろ、親父」
「あら和哉さん、見境いなんてお言葉ご存知だったのね」
那美さんの痛烈な一言にテーブルがどっとわく。兄ちゃんは口を尖らせて縮こまった。ざまみろ。これだから俺は那美さんがすきだ。
「その点、和哉は和人を見習ったらいいのよ。ねえ?」
「まったくですわ。私はゆうかちゃんが羨ましいですよ」
「和人は相変わらずなんだろうな。久しぶりの食事会だ、近況報告などを頼むよ」
……とまあこんな感じで、そりゃあ、両家の両親共々の食事会なのだから当然ではあるが、話の中心はゆうかと俺のことになってしまう。
そしてこういう話に対し、ゆうかや淳三郎氏の目の前で返事をしなければならない俺の精神は、すり減っていくのが常である。
「えっとまあ、相変わらずですが……近況報告と致しましては……は……あ、えっと、ゆうかが第一中間で3位の成績をとりました」
明らかに求められている話ではないが、学校生活のことに話題を持っていけば、俺たちの関係そのものについての話題を好まない淳三郎氏が、勝手に食いついてくれるのだ。
「なるほどな。して、和人君の学業成績のほどは如何かな」
「和人だって今まで取ったことない順位だったわよね。第一中間、本当に勉強してたのよ」
61位だけどね、とぼそり。それでもテーブルはざわめいた。
「あらそうなの? 和人、全然教えてくれないんだからあ」
「お前がテスト勉強って、兄ちゃん聞いたことないぞ」
「努力できることは才能ですわよね。ゆうかのことも知らなかったわ」
「ふん、多少は志でも抱き始めたのかな」
61位でこれだけ言ってくださる身内は、ありがたいと言えばありがたいんだろうな。
なんとも不思議な光景だ。
「そういえば、和哉さんと那美さんは、今年度中にも御入籍なさるとか」
「はあ。まあ、あくまで予定にすぎませ「ええ、なるべく早くと思っております」
兄ちゃんの曖昧な言葉を遮った那美さんは、ナプキンで口元を隠してうふふと笑う。
「和哉は女の子のこととなると見境いがないので、那美さんは苦労するでしょうがな」
「見境いがないはないだろ、親父」
「あら和哉さん、見境いなんてお言葉ご存知だったのね」
那美さんの痛烈な一言にテーブルがどっとわく。兄ちゃんは口を尖らせて縮こまった。ざまみろ。これだから俺は那美さんがすきだ。
「その点、和哉は和人を見習ったらいいのよ。ねえ?」
「まったくですわ。私はゆうかちゃんが羨ましいですよ」
「和人は相変わらずなんだろうな。久しぶりの食事会だ、近況報告などを頼むよ」
……とまあこんな感じで、そりゃあ、両家の両親共々の食事会なのだから当然ではあるが、話の中心はゆうかと俺のことになってしまう。
そしてこういう話に対し、ゆうかや淳三郎氏の目の前で返事をしなければならない俺の精神は、すり減っていくのが常である。
「えっとまあ、相変わらずですが……近況報告と致しましては……は……あ、えっと、ゆうかが第一中間で3位の成績をとりました」
明らかに求められている話ではないが、学校生活のことに話題を持っていけば、俺たちの関係そのものについての話題を好まない淳三郎氏が、勝手に食いついてくれるのだ。
「なるほどな。して、和人君の学業成績のほどは如何かな」
「和人だって今まで取ったことない順位だったわよね。第一中間、本当に勉強してたのよ」
61位だけどね、とぼそり。それでもテーブルはざわめいた。
「あらそうなの? 和人、全然教えてくれないんだからあ」
「お前がテスト勉強って、兄ちゃん聞いたことないぞ」
「努力できることは才能ですわよね。ゆうかのことも知らなかったわ」
「ふん、多少は志でも抱き始めたのかな」
61位でこれだけ言ってくださる身内は、ありがたいと言えばありがたいんだろうな。