私立秀麗華美学園
その後俺とゆうかはそれぞれ部屋に戻って、荷物の整頓をした。

兄ちゃんと那美さんは明日2人で出掛けるところがあるそうで、兄ちゃんの部屋でもう少し飲みながら相談をしている。

淳三郎氏とりえさんも、明日の朝にはここを出るので部屋に戻っているだろう。


俺は実家への帰省なわけで、当然荷物は少なく、整頓はすぐに終わった。

ゆうかの部屋に手伝いに行こうかとも思ったが、どうせ周りをうろちょろして、邪魔だと一喝されるのがオチだ。



この部屋は、寮の2人部屋よりも広い。
あまり使わないためそれほど物を置いていないので余計に広く見える。1人でいると空しくなるので、テレビをつけた。
が、歌番組を見ていたはずなのに、いつのまにか眠っていた。
気が張って、思ったよりも疲れていたのかもしれない。伸びをして、風呂に入った。


俺の部屋やゆうかが寝泊まりしている部屋にも、洗面所と風呂は備え付けてある。
でも1階には泡ぶろや花弁を浮かばせた風呂などがある大浴場があるので、ゆうかはそっちに入っているんだろう。


風呂を出て髪をふきながらベッドに座って、そのまま倒れ込んだ。雄吾がいたらシーツが濡れるからやめろとか言って怒られるんだろうなーとか思いながらゴロゴロ転げまわる。


濃い1日だった。予想以上に疲れたけど、予想以上に充実していた。

明日はもっとみのると話したいな……、などと思いつつうとうとしていると、ドアがノックされた。


「和人、いる? 入るよー」

「ゆうか?」


部屋に入ってきたのはゆうかで、風呂上がりらしく浴衣を着ていた。四角くて薄い、大きな箱を持っている。


「ごめん、もう寝るところだった?」

「いやいいんだけど。それ、何なんだ?」


ゆうかは苦笑してから箱をテーブルの上に置き、そっとふたを開けて見せた。

中身は男物の浴衣だった。

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