私立秀麗華美学園
物珍しげな4つの視線を受けて、咲は照れたように笑った。雄吾は顔を背け、表情を伺わせようとしない。
「何や、親密になってません? 咲と雄吾くん」
「私も同意見ですわ」
「春休みに会うたばかりやのになあ。若い者同士のことは、わかりませんなあ」
「たった数か月の間にあの雄吾がねえ。どうやら、話を聞き甲斐がありそうですね」
はっと自分が今いる場所のことを思い出し、雄吾はそうっと咲の腕から逃れた。咲はおもしろがって余計にひっつこうとする。
邪険にしたいわけではないため雄吾の方も逃れ方が曖昧で、決着がつかない。
「うわあ、ねえちゃん大胆!」
「でも雄吾朗くんも嬉しそうよ」
「そうなの? 離れたいように見えるけれど……」
「照れてるんやん! 咲ちゃんが可愛いから!」
「ああ、なるほどー」
ソファーの裏から口ぐちに勝手な――しかし核心をついた意見を飛ばしているのは、両家の幼子たちだ。
恭真と麻由を筆頭に、その同年代のいとこ陣が一緒になって2人の様子を実況中継している。
歳に比べ上品すぎるように思える言葉遣いと、素朴な関西弁。
喋りを聞けばどちらの家の子かがすぐにわかってしまうのもなかなかおもしろい。
そのようにして、咲と雄吾が入ってきた途端に部屋中の視線が2人に注がれ、同時に部屋中の人間が2人の関係の変化を少なからず読み取ったようだった。
微妙な攻防戦も落ち着き、2人がソファーに座ると、周りを囲むように家族一同もめいめいくつろげる場所に陣取って、会話やお茶をするのを再開した。
「何や、親密になってません? 咲と雄吾くん」
「私も同意見ですわ」
「春休みに会うたばかりやのになあ。若い者同士のことは、わかりませんなあ」
「たった数か月の間にあの雄吾がねえ。どうやら、話を聞き甲斐がありそうですね」
はっと自分が今いる場所のことを思い出し、雄吾はそうっと咲の腕から逃れた。咲はおもしろがって余計にひっつこうとする。
邪険にしたいわけではないため雄吾の方も逃れ方が曖昧で、決着がつかない。
「うわあ、ねえちゃん大胆!」
「でも雄吾朗くんも嬉しそうよ」
「そうなの? 離れたいように見えるけれど……」
「照れてるんやん! 咲ちゃんが可愛いから!」
「ああ、なるほどー」
ソファーの裏から口ぐちに勝手な――しかし核心をついた意見を飛ばしているのは、両家の幼子たちだ。
恭真と麻由を筆頭に、その同年代のいとこ陣が一緒になって2人の様子を実況中継している。
歳に比べ上品すぎるように思える言葉遣いと、素朴な関西弁。
喋りを聞けばどちらの家の子かがすぐにわかってしまうのもなかなかおもしろい。
そのようにして、咲と雄吾が入ってきた途端に部屋中の視線が2人に注がれ、同時に部屋中の人間が2人の関係の変化を少なからず読み取ったようだった。
微妙な攻防戦も落ち着き、2人がソファーに座ると、周りを囲むように家族一同もめいめいくつろげる場所に陣取って、会話やお茶をするのを再開した。