私立秀麗華美学園

「大体お前はアレだ、自分を卑下してそこに相手をおとしめるくらいなら最初から自分を肯定しとけよ。考えが暗いんだよ!」

「なんでお前に説教されなきゃいけねんだよ。つーかついてくんなよ。しっしっ!」

「あんなもん見たら食堂行かねえわけにいかねえだろ!」

「授業はともかくなんで私生活でまでお前と時間共有しなきゃいけねーんだよ!」

「こっちの台詞だ!」


わーぎゃーいいながら競歩みたいにして食堂に着き、口数多く食券機に並び、同時にトレーを受け取るとまた言い合いを始める。


「大体お前きつねうどんって何だよ、笠井家の御曹司は大人しくビーフストロガノフとかでも食ってりゃいいんだよ」

「天ぷらうどんが言えることか。しかもエビじゃなくてかきあげ」

「野菜とらねーと怒られんだよ」


ここでも早足で食堂中を闊歩し、それぞれ格別庶民的な料理を乗せたトレーを手に俺たちはゆうかたちの姿を探した。

やっと窓際のカウンター席に並んでいるのを笠井が発見し、肩をつついて声を出さずに俺に知らせる。


カウンターのうしろのにある対面テーブルの奥の方に空席を発見し、座ろうとすると、隣にいたのは見知った顔だった。


「咲、隣いいか?」

「あっ、和人。いいよー」


そこにいたのは咲で、金髪の女生徒と向かい合って座っていた。


「もしかして、C組に来た留学生?」

「そう! カルラ! 日本語喋れるよ。カルラ、この人あたしの友達。和人っていって、寮が雄吾と同じ部屋やねん」


ども、と頭を下げてみると、とても親しみやすそうな笑顔を見せてくれた。


「ハジメマシテ! わたし、カルラ。スペインから来た。咲のトモダチは、わたしのトモダチ。よろしくね!」


テーブル越しに握手をする。

金髪というか少しくすんだブロンドみたいな色の髪に、好奇心旺盛そうな緑色の瞳。

何より印象的なのは生き生きとした表情で、握手しながらいつまでも笑顔のカルラを眺めていると、つられてにこにこしてしまっていた。



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