私立秀麗華美学園
翌朝は普通に待ち合わせ場所に行った。
ただここのところ必ずゆうかより先にいたのだが、今日は俺の方が遅かった。
「なんだったの? 昨日」
歩きながらゆうかは言った。
「あー……体育、さぼんなよって。別に大したことじゃなかった」
「ふうん。最近そうでもないのにね」
何気ない風を装うのは結構難しかった。
こういう「装う」って、何かもやもやするな、と思った。
その日は英語Wの授業があった。
やはり教材を進めたあと、2人組になって話し合いをする。
「今回はいよいよ文章を作り始めてしまってください。
ペア活動ですからね、協力という言葉をお忘れなく」
何回かの授業の間に俺が笠井の後の席へ移動することがなんとなく決まっていたので、あっさりと笠井の近くへ行く。
回ってきたプリントには凄まじい数の罫線が引かれており、これを全て英語で埋めるのかと思うと頭痛がしそうだった。
「花見だ花見。ろくに話し合ってなかったツケがそろそろ回ってきたぞ」
「なんだよいきなり。授業のたびにゆうかたちの話題出してきたのお前だろ」
「俺の方が情報が少ないから当然だ。お前はゆうか本人と毎日会話してんだから」
「……そうでもないけど」
笠井の肩越しに見える2人。
いつものように話し合いは順調のようで笑顔すら垣間見える。
昨日の今日だからというだけではなく、ヨハンのことは、俺が持ち出さない限り会話の中で出てくることはそうそうなかった。
そこからも、ゆうかにとってのヨハンが、こうまで敵対視しなければならないほど大きな意味を持った人物ではなさそうなことはなんとなくわかる。わかっている。
「だからお前がそんな弱気でどうすんだよ」
「……笠井は俺が弱気だと、嬉しいはずなんじゃねーの」
「馬鹿言うな」
ぽろっと出た言葉に、笠井は予想外の反応をした。
「一旦休戦っつったろ。大体お前のそのうじうじした態度には常日頃から文句言いたかったんだよ。
そうだ、お前、昼休みつきあえ。薔薇園に行くぞ」
……はい?
ただここのところ必ずゆうかより先にいたのだが、今日は俺の方が遅かった。
「なんだったの? 昨日」
歩きながらゆうかは言った。
「あー……体育、さぼんなよって。別に大したことじゃなかった」
「ふうん。最近そうでもないのにね」
何気ない風を装うのは結構難しかった。
こういう「装う」って、何かもやもやするな、と思った。
その日は英語Wの授業があった。
やはり教材を進めたあと、2人組になって話し合いをする。
「今回はいよいよ文章を作り始めてしまってください。
ペア活動ですからね、協力という言葉をお忘れなく」
何回かの授業の間に俺が笠井の後の席へ移動することがなんとなく決まっていたので、あっさりと笠井の近くへ行く。
回ってきたプリントには凄まじい数の罫線が引かれており、これを全て英語で埋めるのかと思うと頭痛がしそうだった。
「花見だ花見。ろくに話し合ってなかったツケがそろそろ回ってきたぞ」
「なんだよいきなり。授業のたびにゆうかたちの話題出してきたのお前だろ」
「俺の方が情報が少ないから当然だ。お前はゆうか本人と毎日会話してんだから」
「……そうでもないけど」
笠井の肩越しに見える2人。
いつものように話し合いは順調のようで笑顔すら垣間見える。
昨日の今日だからというだけではなく、ヨハンのことは、俺が持ち出さない限り会話の中で出てくることはそうそうなかった。
そこからも、ゆうかにとってのヨハンが、こうまで敵対視しなければならないほど大きな意味を持った人物ではなさそうなことはなんとなくわかる。わかっている。
「だからお前がそんな弱気でどうすんだよ」
「……笠井は俺が弱気だと、嬉しいはずなんじゃねーの」
「馬鹿言うな」
ぽろっと出た言葉に、笠井は予想外の反応をした。
「一旦休戦っつったろ。大体お前のそのうじうじした態度には常日頃から文句言いたかったんだよ。
そうだ、お前、昼休みつきあえ。薔薇園に行くぞ」
……はい?