私立秀麗華美学園
2人は昇降口を通り過ぎ、1階の渡り廊下を歩いて行った。本当に図書館に行くみたいだ。

距離をあけ、曲がる時には物陰に隠れる。むしろ開き直って怪しげな動作で尾行していると、奇遇にもまたあの2人組に出会った。


「……本格的にストーカーしてるなあ……」

「あ、咲。カルラも」

「また会ったねー、カズト。それと、シン」


呆れたような顔つきの咲と笑顔のカルラ。まさかまたこの謎メンが揃うことになろうとは。


「どこに行くんだい?」


ちらりと見ると一瞬で爽やか笑顔な笠井進。条件反射こえー。


「雄吾の部活、見に行くねん。カルラが見たいって」

「ブシ、見てみたいの! ブシ!」

「ああ、剣道……まあ似たようなもんか」

「ブシ、ニンジャ、大人気よ。ところで、ねえ、ストーカーってなに?」

「あ、そうだ、追わなきゃ。あの2人、こっそり追いかけてんだ」

「あの2人……この間の」


大分離れたゆうかとヨハンの姿を見ると、カルラは笑顔を曇らせた。


「ヨハン、髪茶色い女の人、仲良くなったの?」

「あー……みたいなんだよ。仲良し。超仲良し」

「だめよ!」


皮肉っぽく適当に言うとカルラが激しく反応したので俺たちは驚いて、2人を追おうとしていた足をカルラの方へ向けた。


「カルラ?」

「え、何、もしかして、ただの友達じゃなかったり……?」


恐る恐る尋ねると、「あー……」っていうか「Ah-……」と呟き目を泳がせる。


「えー!? そうなん!?」

「えっと、ううん、青い、じゃなくて、赤い、他人よ」

「本当に? まるで、深い関係のように思えたけどな」

「ほんとよ。赤いよ」

「カルラ、ほんとのこと、教えて欲しいんだけど」


なんせゆうかに関わることだ。赤の他人というカンヨークを教えるのはあと回しにして真剣にカルラを見つめると、彼女は根負けしたようにため息をついた。
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