私立秀麗華美学園
忙しいというゆうかを待たず1人で帰って、部屋でもらったプリントとメモに目を通した。


笠井はバスケ部主将であるため、全体の指揮はゆうかがとるようだ。

パートは調理、衣装、広告・宣伝、当日、に分かれていた。
部活の忙しい人は当日パートのホール係で仕事はほとんど当日の接客だけらしい。


調理パートっつっても実際に作るのはどうせほとんど当日だしな。材料の準備とか試作ぐらいならどうにかなるだろう。

パート分けの感じ見ると、メニュー決めるとこから仕事っぽいなあ。
これ俺が仕切るのかよ。まじかよ。

まあ、学園祭のパート長程度で逃げ腰じゃ、実際今後の前途真っ暗だけどな。


そう考えていたところで帰ってきた雄吾に状況を説明すると、真剣な顔でうなずかれた。


「当たり前だ。他の人間がやれているリーダーの仕事を、花嶺の婿が嘆いていてどうする」

「俺ってやっぱ花嶺姓になんのかな」

「……話、しないのか。花嶺の親父さんなんかと」

「ゆうかと俺の結婚に現実味感じてんのは、りえさんとうちの親父ぐらいだよ。それでもほとんどそんな話したことねーや」


月城の事業を継ぐのは兄ちゃんだ。それは決定事項で、適当だと思うし不服はない。

普通なら俺はその下で働くはずだが政略結婚の相手のゆうかはひとりっこ。

淳三郎氏はいわゆる社長ではないが独自の事業を抱えており、将来的にそれを引き継ぐ人間は必要で、正式に話したことはなくても、まあそういうことだろうなあと予想はつく。


「どうなるにしろ俺たちが渡っていくのは人の指示を待てばいいだけの世界ではないからな」

「確かに俺、指示出す側ってなったことねーな」

「ところで、見たところやはり調理パートは女生徒ばかりだな」

「そーだな。でも笠井の言ってた感じじゃ、全員しぶしぶって感じだったらしいなあ。不安だ」

「うちのクラスも確かにそうだった。まあ料理なら、手伝ってやらんこともない」

「雄吾さまー!」


ふざけて飛びついたら思いっきりかわされた。雄吾が手伝ってくれるなら百人力だ。ちょっと期待はしてたけど。


はっきり動き始めるのは、明日の昼休みの会議からだな。


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