私立秀麗華美学園
日が落ちるのもはやいもので、辺りは既に薄闇に包まれていた。
そろそろ灯りそうな街灯の下で俺たちは次の行き先を話し合う。
少し離れたレストランを6時に予約しているということだったので、本屋で時間を潰すことにした。
本屋に入ると俺は主に雑誌のコーナーにたむろしているが、ゆうかは大抵あらゆるコーナーを見て回っている。
のだが、今日はまっすぐ文庫本のコーナーに向かっていた。なんとなくついていく。
「何か探してる?」
「んー、なんかまとめて読めそうな小説でもないかなって…………もうすぐ春休みだし」
もちろんゆうかの好きな作家を挙げることも造作ないが、ゆうかが購入する時はどちらかというかジャケ買いであることが多い。
ふたりで棚を行ったり来たりして、花のイラストが綺麗な表紙の、連続ミステリーをまとめ買いした。
「和人は特に好きな作家さんとかいないよね」
「うーん。あらすじ見て、気に入ったら読んでみてる」
「結構さ、感動もののファンタジーとか好きだよね。それですぐ泣くの」
「……なんで知ってんの」
「前期の学園祭でも、舞台観て泣いてたじゃない」
からかわれつつ、ぐるりと一周して、小一時間経ったところで店を出た。買った本は宅配してもらう。
頃合いだったので徒歩でレストランへ向かった。4人で街に来た時によく行く店とは、違うところのようだった。名前はどこかで聞いたことがあるようなないような。最近できた人気店らしい。
ウィンドウショッピングを楽しめる界隈からは少し離れたところに、落ち着いた雰囲気のその店はあった。外観は暗くてわからないが、中に入ると適度な照明の中、洗練された動きのウェイターたちが迎えてくれた。
「予約していた花嶺です」
いらっしゃいませの一言と共に数秒と待たず現れた男のウェイターに、ゆうかはそう告げる。
レストランの予約は基本的に俺の仕事だったが、今までゆうかが気に入った店に自ら予約を入れることもないわけではなかった。が、その時はいつも月城の名前で入れていたはずだ。
「花嶺」での予約は、9年間で、初めてだったんじゃないかと思う。
そろそろ灯りそうな街灯の下で俺たちは次の行き先を話し合う。
少し離れたレストランを6時に予約しているということだったので、本屋で時間を潰すことにした。
本屋に入ると俺は主に雑誌のコーナーにたむろしているが、ゆうかは大抵あらゆるコーナーを見て回っている。
のだが、今日はまっすぐ文庫本のコーナーに向かっていた。なんとなくついていく。
「何か探してる?」
「んー、なんかまとめて読めそうな小説でもないかなって…………もうすぐ春休みだし」
もちろんゆうかの好きな作家を挙げることも造作ないが、ゆうかが購入する時はどちらかというかジャケ買いであることが多い。
ふたりで棚を行ったり来たりして、花のイラストが綺麗な表紙の、連続ミステリーをまとめ買いした。
「和人は特に好きな作家さんとかいないよね」
「うーん。あらすじ見て、気に入ったら読んでみてる」
「結構さ、感動もののファンタジーとか好きだよね。それですぐ泣くの」
「……なんで知ってんの」
「前期の学園祭でも、舞台観て泣いてたじゃない」
からかわれつつ、ぐるりと一周して、小一時間経ったところで店を出た。買った本は宅配してもらう。
頃合いだったので徒歩でレストランへ向かった。4人で街に来た時によく行く店とは、違うところのようだった。名前はどこかで聞いたことがあるようなないような。最近できた人気店らしい。
ウィンドウショッピングを楽しめる界隈からは少し離れたところに、落ち着いた雰囲気のその店はあった。外観は暗くてわからないが、中に入ると適度な照明の中、洗練された動きのウェイターたちが迎えてくれた。
「予約していた花嶺です」
いらっしゃいませの一言と共に数秒と待たず現れた男のウェイターに、ゆうかはそう告げる。
レストランの予約は基本的に俺の仕事だったが、今までゆうかが気に入った店に自ら予約を入れることもないわけではなかった。が、その時はいつも月城の名前で入れていたはずだ。
「花嶺」での予約は、9年間で、初めてだったんじゃないかと思う。