私立秀麗華美学園
零さんに話している間、彼と月城との関係をすっかり考慮できていなかった。どんな気持ちで聞いていてくれたんだろうと思うと、申し訳なくて仕方がない。

だけどもう落ち込んでちゃ駄目だった。無駄にすんなよと言われて、無駄にしたくないと思った。


冷静になること。頭を使うこと。
考えたくない現実が目の前にある時、それは簡単に見えて困難なことなんだと知った。
それでもそこから逃げていては、奇跡を待つだけの受け身になっていては……あえてこの言葉を使うと、「世界は変えられない」。


コーンを取って戻って、白咲に遅いと怒られて、進に「何やってたんだのろま」と心配されて、体育を終えた。
その後も授業を終え、放課後になると幸ちゃんに声をかけられる前に教室を飛び出した。意味があるかどうかは別として、態度は示しておくべきだった。後々どっかから責められるとしたら、その時にまたどうにか言い訳の考えようもあるだろう。

一回部屋に戻ったことがわかるように制服を着替えて、考え事はダイニングホールですることにした。雄吾には心配をかけてばかりだったから。


食堂に寄って飲み物をもらう。ゆうかがよく飲んでいたハーブティーを選んだ。ホールでは、この間は避けた暖炉の傍の場所に腰を落ち着ける。思い出すと辛い、なんて、まるでもう会えないみたいだ。そんなわけはない、と思わなければ。


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