私立秀麗華美学園
結果は想像していた通りだった。最初の10回はとってもらえなかった。ぴったり11回目で、知らない声の人が出た。看護婦さんらしくて注意をされた。花嶺さんはただいま病室にいないそうだ。ほんとに看護婦さんだかどうだかは知らないけど。
たぶんこれ以上かけても電話線を抜かれるだけだろう、と思って、その日はそれでやめた。
その後数日間、毎晩電話をかけた。なるべく同じ時間になるようにした。
これでほんとのストーカーだなって呟いたら、雄吾が笑ってた。
着信拒否はされなかった。したところでどうせ違う個体からかけてくることを予想されていたのだろう。
同時に、みのるの方にも接触を試みることにした。私用の番号に同じように電話をかけ続ける。
私用というのは、うちの実家にあるみのるの部屋の固定電話だ。個人的な連絡が他にも来るはずのその電話を拒否し続けることは難しいはずだとふんでいた。
部屋からかけた電話に出てくれないのは番号で避けられているからなのだろうが、非通知でかけた時や、寮の1階にある共用の電話からかけた時、学園の外の公衆電話からかけた時も、コールは虚しく鳴り続けた。一切の着信を無視しているのだろうか。大した徹底ぶりだ。
先に成果が出たのは、ゆうかの病室の方だった。ある夜、真理子さんではなかったが、付き人だという人が、電話に出てくれた。
「大変恐縮ではございますが、いい加減にしていただけますでしょうか。こうも毎晩のことですと、お嬢様も電話のコール音に怯えるようになっておられます」
「全然恐縮してないじゃん。ゆうかがコール音に怯えるって、絶対嘘ですよね」
「まあ、まさか」
「そもそも連絡してくるなってどういうことですか? 大事な姫の身体の具合を尋ねるのに遠慮が必要なんですか?」
「で、ですからお嬢様からのご配慮なのです、気にせずやって欲しいと。何か変わったことがあればこちらから連絡致しますからご心配なく! それでは失礼」
不躾な言い方にちょっと憤慨した感じで、電話は切られた。それでもいい、前進だ、と思った。
向こうが嘘ついてきてるのもほとんど明確みたいだし。コール音なんかがゆうかを脅かせるもんか。怯える前にブチ切れて窓から電話放り出すよ。
病室の方にかける時は、その時のこともあって、気合を入れて臨戦態勢でかけていたけど、みのるの方の時は、祈るような気持ちだった。
夏のことや、クリスマスパーティーのことを、思い出す。
みのる、お願いだから、みのる。
たぶんこれ以上かけても電話線を抜かれるだけだろう、と思って、その日はそれでやめた。
その後数日間、毎晩電話をかけた。なるべく同じ時間になるようにした。
これでほんとのストーカーだなって呟いたら、雄吾が笑ってた。
着信拒否はされなかった。したところでどうせ違う個体からかけてくることを予想されていたのだろう。
同時に、みのるの方にも接触を試みることにした。私用の番号に同じように電話をかけ続ける。
私用というのは、うちの実家にあるみのるの部屋の固定電話だ。個人的な連絡が他にも来るはずのその電話を拒否し続けることは難しいはずだとふんでいた。
部屋からかけた電話に出てくれないのは番号で避けられているからなのだろうが、非通知でかけた時や、寮の1階にある共用の電話からかけた時、学園の外の公衆電話からかけた時も、コールは虚しく鳴り続けた。一切の着信を無視しているのだろうか。大した徹底ぶりだ。
先に成果が出たのは、ゆうかの病室の方だった。ある夜、真理子さんではなかったが、付き人だという人が、電話に出てくれた。
「大変恐縮ではございますが、いい加減にしていただけますでしょうか。こうも毎晩のことですと、お嬢様も電話のコール音に怯えるようになっておられます」
「全然恐縮してないじゃん。ゆうかがコール音に怯えるって、絶対嘘ですよね」
「まあ、まさか」
「そもそも連絡してくるなってどういうことですか? 大事な姫の身体の具合を尋ねるのに遠慮が必要なんですか?」
「で、ですからお嬢様からのご配慮なのです、気にせずやって欲しいと。何か変わったことがあればこちらから連絡致しますからご心配なく! それでは失礼」
不躾な言い方にちょっと憤慨した感じで、電話は切られた。それでもいい、前進だ、と思った。
向こうが嘘ついてきてるのもほとんど明確みたいだし。コール音なんかがゆうかを脅かせるもんか。怯える前にブチ切れて窓から電話放り出すよ。
病室の方にかける時は、その時のこともあって、気合を入れて臨戦態勢でかけていたけど、みのるの方の時は、祈るような気持ちだった。
夏のことや、クリスマスパーティーのことを、思い出す。
みのる、お願いだから、みのる。