私立秀麗華美学園
とりあえず、自分を納得させる方向で思考を働かせる気はないということを宣言した。壮大すぎることだとしても、どうにか淳三郎さんを説得する、ということしか考えるつもりはない、と。
他の人に言ったら呆れられてたかもしれない。でも、この部屋にいる人たちは、誰も笑わなかった。
「そんっなわかりきったことはええから! はよ考えて! そもそもゆうかのご両親に連絡取るってこと自体どうやってやんのん!」
相変わらずなことを言って、咲が机をバンバンと叩く。いつも通りの無責任さに気が抜けそうだった。
「それは、たぶん、兄ちゃんも言ってたけど……」
切り札、の方に視線をやる。いつの間にやら腕組みをして椅子にふんぞり返っていた進は、ケッという顔をしてよそを向く。
「この期に及んで他力本願かよー」
どっちがこの期に及んでだ、と言いたくなるが、これはおそらくいつもの揚げ足取りみたいなものなので気にしない。兄ちゃんとの会話でえらく下手に出ていたのを打ち消したいのだろうか。
「そっか、上の立場の人間と話すの苦手なんだな。お前の兄ちゃんやら父さんの影響なんだろうな。わかった大目に見よう」
「は? てめコラ何様だ誰が苦手だ」
「本来の意味から言えば他力本願は妥当だな。自力で何でもできると驕るべきではない。頼るべき人間を友人に持てたのも本人の実力の内とも考えられる」
「てゆーかあたし未だにわかってへんねんけど、この人ゆうかのこと好きなんじゃなかったん? いつの間に和人とそんな仲良うなったん?」
「昨日の敵は今日の友、という言い回しがあるよね。風來さん、お久しぶり」
こんな場ですらお前の二重人格は健在なのかよ、病気かよ、と俺がなじり、自分に穏やかな笑顔を向けてくる進を咲が気味悪がり、あまり関わるなとばかりに雄吾が両手で咲の目隠しをしたりしていると、部屋の扉がノックされた。
扉を開くと、そこに立っていたのはみのるだった。
「お話中のところを失礼致します」
「みのる! よかった、兄ちゃんに聞いたけど審議中とか言われて、」
「処罰等の件は一旦保留だそうです。実務も兼ねてですが、一応、坊ちゃまの味方側の者として和哉様に遣わされました」
他の人に言ったら呆れられてたかもしれない。でも、この部屋にいる人たちは、誰も笑わなかった。
「そんっなわかりきったことはええから! はよ考えて! そもそもゆうかのご両親に連絡取るってこと自体どうやってやんのん!」
相変わらずなことを言って、咲が机をバンバンと叩く。いつも通りの無責任さに気が抜けそうだった。
「それは、たぶん、兄ちゃんも言ってたけど……」
切り札、の方に視線をやる。いつの間にやら腕組みをして椅子にふんぞり返っていた進は、ケッという顔をしてよそを向く。
「この期に及んで他力本願かよー」
どっちがこの期に及んでだ、と言いたくなるが、これはおそらくいつもの揚げ足取りみたいなものなので気にしない。兄ちゃんとの会話でえらく下手に出ていたのを打ち消したいのだろうか。
「そっか、上の立場の人間と話すの苦手なんだな。お前の兄ちゃんやら父さんの影響なんだろうな。わかった大目に見よう」
「は? てめコラ何様だ誰が苦手だ」
「本来の意味から言えば他力本願は妥当だな。自力で何でもできると驕るべきではない。頼るべき人間を友人に持てたのも本人の実力の内とも考えられる」
「てゆーかあたし未だにわかってへんねんけど、この人ゆうかのこと好きなんじゃなかったん? いつの間に和人とそんな仲良うなったん?」
「昨日の敵は今日の友、という言い回しがあるよね。風來さん、お久しぶり」
こんな場ですらお前の二重人格は健在なのかよ、病気かよ、と俺がなじり、自分に穏やかな笑顔を向けてくる進を咲が気味悪がり、あまり関わるなとばかりに雄吾が両手で咲の目隠しをしたりしていると、部屋の扉がノックされた。
扉を開くと、そこに立っていたのはみのるだった。
「お話中のところを失礼致します」
「みのる! よかった、兄ちゃんに聞いたけど審議中とか言われて、」
「処罰等の件は一旦保留だそうです。実務も兼ねてですが、一応、坊ちゃまの味方側の者として和哉様に遣わされました」