私立秀麗華美学園
「なになに? 私も聞かせて」
ついしゃがみこんで話していると、ゆうかが俺たちのそばに寄って来た。
「あ、ども。えっと、あのすかした奴、この前の映画で眞子様の出演シーンに、トイレに行ってたらしいんすよ。
館内で撮影禁止なんて、何度も注意されたことあるんでわかりきってんすけどね。理由つけてここへ乗り込むって、今朝叫んでました」
「出演シーンって、あのアイドル、30秒も出てなかったじゃない」
「はあ、まあ……」
革ジャンこと弓浜は、苦笑いで頭の後ろをかいた。いかつい顔と格好の割に、親しみやすい笑顔を持ったおもしろいやつだ。
「大体、私は門を開けちゃったけど、どうやって乗り込むつもりだったの? 門乗り越えようとでもした瞬間、警報器が鳴って、警備員が飛んでくるわよ。だから門番がいないんだけど」
「いや、だから外で喚いてたんすよ。俺らも無謀すぎる作戦だとは思ったんですが、ボス的には、あいつさえ出てくりゃよかったわけで」
「考えてみれば、どうして先生たちも真面目に相手してるのかしら。追い払いたいなら、警備員を出動させればすむ話なのに」
「どうせ白咲のことだし、ドラマみたいにヤンキー更生させてみたかったんだろ」
現に白咲は、こんなことをして何になる、だの、親がどう思うか考えてみろ、だの言っている。
そういうこと言うとこじゃねえと思うんだけどな。んでよく見たら、門の方向いてんの白咲だけじゃねえか。他の教師は少し離れたところで動向をうかがっているようだ。
しかも白咲はボスに向かって一生懸命何かしらを訴えかけているが、ボスが話をしたいのは雄吾なわけで、そして張本人はそしらぬ顔をしているので、全くもって会話は成り立っちゃいない。
「解決しそうにないわね。何にしたってこのままじゃテスト続けられないし、追い払うべきよね。ちょっと行ってくるわ」
ゆうかはそう言うと、軽快な足取りで、ひるむことなく激戦の中心地へ向かって行った。
「元気なお嬢様っすね……」
俺は、そうなんだよな、と、これみよがしにため息をついた。
「あれでも、俺の姫様」
は? と呆けた顔をした、革ジャンヤンキー弓浜に、俺はへへっと笑って見せた。
ついしゃがみこんで話していると、ゆうかが俺たちのそばに寄って来た。
「あ、ども。えっと、あのすかした奴、この前の映画で眞子様の出演シーンに、トイレに行ってたらしいんすよ。
館内で撮影禁止なんて、何度も注意されたことあるんでわかりきってんすけどね。理由つけてここへ乗り込むって、今朝叫んでました」
「出演シーンって、あのアイドル、30秒も出てなかったじゃない」
「はあ、まあ……」
革ジャンこと弓浜は、苦笑いで頭の後ろをかいた。いかつい顔と格好の割に、親しみやすい笑顔を持ったおもしろいやつだ。
「大体、私は門を開けちゃったけど、どうやって乗り込むつもりだったの? 門乗り越えようとでもした瞬間、警報器が鳴って、警備員が飛んでくるわよ。だから門番がいないんだけど」
「いや、だから外で喚いてたんすよ。俺らも無謀すぎる作戦だとは思ったんですが、ボス的には、あいつさえ出てくりゃよかったわけで」
「考えてみれば、どうして先生たちも真面目に相手してるのかしら。追い払いたいなら、警備員を出動させればすむ話なのに」
「どうせ白咲のことだし、ドラマみたいにヤンキー更生させてみたかったんだろ」
現に白咲は、こんなことをして何になる、だの、親がどう思うか考えてみろ、だの言っている。
そういうこと言うとこじゃねえと思うんだけどな。んでよく見たら、門の方向いてんの白咲だけじゃねえか。他の教師は少し離れたところで動向をうかがっているようだ。
しかも白咲はボスに向かって一生懸命何かしらを訴えかけているが、ボスが話をしたいのは雄吾なわけで、そして張本人はそしらぬ顔をしているので、全くもって会話は成り立っちゃいない。
「解決しそうにないわね。何にしたってこのままじゃテスト続けられないし、追い払うべきよね。ちょっと行ってくるわ」
ゆうかはそう言うと、軽快な足取りで、ひるむことなく激戦の中心地へ向かって行った。
「元気なお嬢様っすね……」
俺は、そうなんだよな、と、これみよがしにため息をついた。
「あれでも、俺の姫様」
は? と呆けた顔をした、革ジャンヤンキー弓浜に、俺はへへっと笑って見せた。