。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


「だから!その呼びかけ何とかならねぇのかよ!」


と勢いよく扉を開けると、戒だけじゃなくキョウスケも居て。


「どした?二人揃って」と目をパチパチさせていると


「明日の旅行の打ち合わせ~」と戒がにこにこ。


「それと、ちょっと気になることが」と戒を押しのけてキョウスケが入ってきて


「おい!俺を邪魔もの扱いするんじゃねぇ」と戒はキョウスケにチョップ。


旅行の打ち合わせも楽しそうだが、キョウスケの言う「気になること」の方も気になる。


少しだけ神妙な面持ちのキョウスケの手にはタブレット端末が乗ってて、あたしは二人を部屋に招き入れた。


キョウスケは座るなり


「新垣さんをストーカーしてる淫行コーチの件ですが」


と言い出し、あたしは目を開いた。


もしかしてエリナに何かあったのか!と思ったがそうじゃないみたいで


「リコさんと金髪くんが目撃したようです。淫行コーチがこの家を出入りしているのを」


と、キョウスケは開かれた地図アプリの一角を指さし。


何の変哲もない一軒家ぽい四角が書かれていたが、


「金髪くん曰く『ヤクザの家』と噂されている場所らしく、調べたところ、中尾組の事務所兼居住地でした」


中尾組……確か、戒と行く予定だった花火大会の日、金魚すくいの屋台をやってた浅田組に因縁つけてきた組だ。



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