。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。


マサが言ってた。中尾組は割りと新参もので、青龍会の先代のとき、ここいらを流れていた地回り(ならずもののこと)が上納金を納めることで、青龍に取り入ったって。(※。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅱ・*・。。*・。参照)


成金風情の中尾組に、あの淫行コーチが何で…


「理由は分かりませんが、金髪くんの目撃談によりますと、どうやらその組員らしき人間に“何か”を渡していたようです。


その“何か”は分かりませんが、あまり良いものではないと思います。


まぁ大体予想は付きますがヤクザを動かすには“これ”でしょうね」キョウスケは親指と人差し指で丸を作る。


金……


「そらそうやろ、ただで動く奴らやないってこと俺らが一番よぉ知っとるしな」


「でも、相当な金が必要じゃない?」あたしだってそこんとこ分かってる。「あのコーチそんなに金持ってんの?」


「分かりませんね、稼ぎはそれ程でもなさそうなので親の遺産があるとか、じゃないですかね」


「だけどあの中尾組にそれ程力はねぇな。畑中組と違ってヤクが絡んでもなさそうだし、あまり頭の良い連中とも思えねぇ。


問題はその中尾組に何であの淫行コーチが接触したか、だよな」


と、戒が腕を組み


「エ……エリナを脅すためとか……中尾組の連中を使ってあの子をさらって行こうとか!もくろんでるのかも!」


「そうかもしれませんね。まぁ中尾組はそれほど力が無いとは言え、カタギにとっては恐ろしいはず。今後監視を強化します。


なので旅行もお嬢が一緒だと言うと新垣さんも安心ですね」


キョウスケがにっこり微笑んで


「だよな~朔羅は何て言っても色んな意味でさいきょ……」と言いかけた言葉を戒は仕舞いこんだ。


あたしがガンつけたからだ。



< 193 / 437 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop