。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。

俺が女の背に手を這わせる。背中はビキニの紐一本で、真ん中が蝶々結びになっている。紐の端を引くときっと簡単に結びめが解けるだろう。だが、俺はその細い紐を引っ張る無粋なことはせず、女の肩を引き寄せ、彼女の大きめなフープのピアスがぶら下がる白い耳にそっと顏を寄せ囁いた。


「いいタトゥーだ」


「あら、お褒めいただいて光栄ですこと」女は挑発的に笑い


「ね、“気が合う”ことだし、この上にあるバーで飲み直さない?友達も呼んであるの。長身のハスキーボイスよ」


と一言。


バー?飲みなおす?この時間から?と思ったが昼間っからシャンパンを配っているパーティーのことを考えたら、それも不思議ではないか。しかもあれから何時間経ったのだろう、日が傾き始めたのか、ガラス張りの天井から薄紫の空が映し出されていた。


「随分魅惑的な提案だな」


俺が答えると同時、女が振り向き、今度は俺の肩に腕を置くと


「楽しみにしてるわ。一時間後、最上階のバーで」と妖しく微笑を浮かべ、白い上着を手にしながらスマートに立ち上がった。


「約束よ」と言い置いて。


再び男たちの視線を集めながら、やはりもろともせず、姿勢の良い歩き姿で女が立ち去る白い背中を見て


「ふむ」俺は顎に手を当て頷いた。


随分ストレートな“逆ナンパ”だな。かなり“激しめ”だけどな。


俺の口元に微笑が浮かんだ。





面白い女だ。





ツシマ ココロ



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