。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。
心の顏が離れると同時、俺は目を開いたまま心を凝視したまま聞いた。
「それは―――本当のことか」
「ほんまのことや。これはくそガキ共も知っとることやで?あ、言うとくけどうちらが調べたんやないで?あの子らが自分で調べたんや。
どや。二つセットで買うてくれへんか?お値打ちやで?」
一瞬驚いたものの、俺は何とか余裕を取り繕いネクタイを締め直した。
「ほぉ、なるほど。で?幾らで買い取ればいい?金額次第だが」
俺が背もたれに背を預けると、速人は手のひらを開いて掲げた。
「5,000?」
「阿呆、そんなぼったくったら、今度こそ信用がた落ちやわ」心は大げさに肩を竦めて頬杖をつく。
もうすでに無くしてると思うが?自分でも言ったじゃねぇか…
「と言うことは?」
「500で手を打たへん?」
500万……か。妥当な金額と言えるな。この家系図に意味があるのなら。そしてさっき聞いた心の情報が本当ならば。
だがあくまで意味のあるものだったら、と言う話だ。
「これが意味することが分からなかったら払うつもりはない。それこそうちの金庫番(鴇田)を通してくれないか」
「何やー、あんたなら高く買いとってくれる思うたんやけど」
「500が高い?おたくら、金額設定考え直した方がいいんじゃないか」
「金額設定なんてあらへん。うちらの仕事は全部、時価や」と心が口を尖らせる。
「つまりおたくらはこの家系図は500万だけの価値だと?」
「俺らにも分からんさかい、その辺が妥当やと思うたんやけど」
「なるほど、じゃぁ前金で100を用意しよう。おたくらにはこの写真の意味を解明してもらって、意味が分かったのなら、そのネタ次第では500でも5,000でも払う」
「ほんま♪」心の声が華やいだ。下町の娼婦から無垢な少女に変わった気がした。
面白い女だ。
「それとは別件に俺の依頼も受けて欲しいと言ったら?5,000用意するが」と提案したときだった。
「お待たせいたしました。ミッドナイトショコラでございます」と店員がトリュフなどのチョコレートを薔薇の花びらや金箔などをセンスよく散りばめたこれまた洒落た盛りつけがされた皿を持ってきて
「え?うちら頼んでへんよ?」と心は目をぱちぱち。
店員は一瞬困惑した表情を浮かべたが
「俺が注文した。これはこの女性に」と店員に言うと店員はほっとしたように心の手元にチョコレートの乗った皿を置いた。
「え?え…?」と困惑した心に俺は笑いかけた。
「好きだろ女ってこうゆう演出」
「それはそう……やけど」心は不思議そうに首を傾け
「5,000出す。だから俺の女になってくれないか」
俺は心の方を見て微笑を浮かべた。