。・*・。。*・Cherry Blossom Ⅵ《シリーズ最新巻♪》・*・。。*・。

「はぁ?何言うてんねん。そないな話…」と速人は顏を歪めた。


「実はあのパーティーに出席したのは単なる取引相手を探していた、と言うのが最初の目的だったが、途中で“婚活”しようかと」


俺の言葉に速人はお代わりで頼んだスコッチを危うく吹き出しそうにした。


「何言うてんねん」速人がここにきてちょっと余裕を無くしたように俺を睨む。


「悪い話じゃないと思うが?体の関係はなし。ただ単に時折食事に付き合ってもらえるだけでいい。しかも“期間限定”だ」


俺の言葉に心は目をぱちぱち。


「何でなん?うちはフリーランスとは言え一応白虎の人間やで?しかもさっき言うたけど、うちらのことあんま信用してる人間おらへんし、そんな怪しげな女やよ」


「付き合うことに信用なんて必要ない。期間限定だけどな。長くて1年、短くて半年だけどな」


俺の発言に、心は身を乗り出しじっと俺の顏を覗きこむ。


「うーん…タイプな顏やし何やおもろそうな話ではあるけどな。せやかて“婚活”って!」と心は「ウケる!」と言い何が可笑しいのか声を挙げて笑う。


「面白いだろ?俺があんたを俺の女だと紹介したら白虎のクソガキどもどんな顏するか見ものじゃないか?」俺が嫌味たっぷりに笑うと


「そらおもろそうやわ!」と心は乗り気だ。


「それともう一つ、スネークの情報が知りたい。ヤツに動きがあったら教えて欲しい」


「二重スパイてことやな」と心は顎に手を置き、口の端で笑みを浮かべて頷く。


「せやかてあんたはネズミと結託しとるやないか。それだけや足らへん言いたいんか」速人がちょっと睨むように目を上げた。


ほぉ、俺がタチバナたちと同盟を結んだこと、知って居たのか。


「見切ったワケじゃない。利用できるところは利用する。だけどヤツらも限界がある」


「なるほど、同盟相手を乗り換える言うことやな」心はまたも笑った。


「乗り換えはしない。契約があるからな。だが新しい“契約”を結ぶな、とは言っていない。俺の方も“二重契約”だ。だから一時的に手を組まないか」俺が提案すると


「こっちのメリットは?」と速人が素早く被せてくる。


「依頼したからにはそれ相応の対価を払う。5,000は手付金だ。“オプション”があるのなら別途追加は可能だ」


「うーん」心はちょっと考えるように首を捻ったが、数秒と待たない内に


「その話、乗った」と身を乗り出した。


「心!」速人が初めて声を荒げた。


「ええやん、一仕事終えて暇しとったやし、食事して5,000やろ?そんなおいしい話ある?」と心は楽観的だ。


対する速人は


「うまい話には裏がある」と俺を険しい視線で射るように睨む。


まぁ疑うのは無理もない。

< 450 / 457 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop