お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
惚けたように彼を見つめたままいつまでも答えない真帆に、催促するかのように蓮が真帆の名を呼ぶ。その低い声が甘く真帆の脳に直接届いた。
何の変哲もない自分の名前が、彼が口にするだけで何か得体の知れない力を持った呪文のように聞こえるから不思議だった。
その呪文が真帆の身体に火をつける。そして真帆の心の奥の強い欲求を目覚めさせようとしている。
側にいたい、いつまでも。
貴方の側に、いさせて欲しい…。
望んではいけないと真帆の中の理性的な部分が叫ぶ。小鳥遊の方はともかくとしても、藤堂の方からしてみれば血が繋がっているだけで、お嬢様とは程遠い真帆では蓮の相手としては不足なはずだ。
騙されたと文句を言われてもおかしくはない。
頷いだ先に明るい未来はないだろう。
「真帆?」
けれど彼の唱える呪文には抗えない。甘く甘く頭に響いて、真帆の心を裸にして、本当のことを言えと揺さぶった。
真帆は、コクリと喉を鳴らす。
それを射抜くように蓮が見つめている。その視線から逃げるように真帆は目を閉じた。
頬が焼けるように熱かった
何の変哲もない自分の名前が、彼が口にするだけで何か得体の知れない力を持った呪文のように聞こえるから不思議だった。
その呪文が真帆の身体に火をつける。そして真帆の心の奥の強い欲求を目覚めさせようとしている。
側にいたい、いつまでも。
貴方の側に、いさせて欲しい…。
望んではいけないと真帆の中の理性的な部分が叫ぶ。小鳥遊の方はともかくとしても、藤堂の方からしてみれば血が繋がっているだけで、お嬢様とは程遠い真帆では蓮の相手としては不足なはずだ。
騙されたと文句を言われてもおかしくはない。
頷いだ先に明るい未来はないだろう。
「真帆?」
けれど彼の唱える呪文には抗えない。甘く甘く頭に響いて、真帆の心を裸にして、本当のことを言えと揺さぶった。
真帆は、コクリと喉を鳴らす。
それを射抜くように蓮が見つめている。その視線から逃げるように真帆は目を閉じた。
頬が焼けるように熱かった