お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
 蓮がまだ口元に笑み残したまま真帆の頭をくしゃくしゃと撫でた。

「別に、"皆"は気にしなくていい。競争じゃないんだから」

 確かにそうだ。
 そんなことはわかっている。
 でも皆ができていているのに、自分ができないというのが悔しいわけではないと真帆は思った。
 そうじゃなくて…。
 
「でも…でも、蓮さんが」

「…俺が?」

 蓮が、やや意外そうに眉を上げて先を促す。

「…」

「俺がなに?真帆」

 真帆は薄茶色の瞳をじっと見つめた。こんな時も落ち着いて、スマートでいられる彼が憎らしいと少し思う。
 子供っぽい意地だとも思うけれど。
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