お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
「真帆が見合いのつもりじゃなかったって知らない俺がさっさと手を出したらどうするつもりだったんだろう」

 結局出したじゃないですかと、言いたくても耳を甘く刺激されて真帆はうまく言葉を紡げない。

「ん…あ、だ、ダメです…」

 かろうじてそれだけを言う。
 
「それにしてもいい景色だな。…こんな風に、毎朝真帆がいてくれたらいいのに」

 蓮は平然として話を続ける。すでに真帆は頭がぼんやりとして景色どころではなくなっているというのに。
 手も足もでなくて陥落寸前の真帆はせめてもの抵抗にかぶりを振った。

「ん?真帆、これはいやか?…耳は嫌い?」

 今気がついたようにわざとらしく蓮が尋ねながら、大きな手で真帆の頭を包み固定した。まるで抵抗した罰とでもいうかのように。
 
「嫌…じゃないです…けど、んんっ!」

 再び耳への愛撫が再開して、真帆の背中がしなる。
 耳を愛撫されることがこんなに気持ちがいいなんて昨夜まで知らなかったことだ。
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