お見合い夫婦の結婚事情~カタブツ副社長に独占欲全開で所望されています~
小夜子はそれをチラリと見て、けれど何も言わない。
「お、お母さん!」
まるで喧嘩した後の子どもみたいな母の態度を真帆は慌てて嗜める。
「いや真帆さん、いいんだよ」
「でも社長…」
娘が勤める会社の社長に対してという意味でも、それから娘の結婚相手の親に対してという意味でも小夜子の態度はありえない。
けれどそれは二人がそれだけ親しくなっているということの証拠でもあった。
真帆の正式な婚約を通してしぶしぶ和正と連絡先を交換した小夜子は、それから時々和正と会っている。
蓮は、迷惑ならばやめさせるから隠さないで言ってほしいとしつこいくらいに言っていて、真帆も初めは気が気じゃなかったけれど、どうやら心配はなさそうだ。
二人は大抵ケーキが美味しいと評判の喫茶店で会うという。実は小夜子は大の甘党でケーキが大好きなのだ。
小さい頃は、ケーキなんて誕生日にしか食べられなかったけれど、その日は子どもの真帆よりも小夜子の方がはしゃいでいた。
だから、
「なんだか餌づけされてるみたいで恥ずかしいわ」
と言いながらも彼女はいそいそと出かけてゆく。そして帰ってからは、和正のことをまんざらでもなさそうに話すのだ。
「お、お母さん!」
まるで喧嘩した後の子どもみたいな母の態度を真帆は慌てて嗜める。
「いや真帆さん、いいんだよ」
「でも社長…」
娘が勤める会社の社長に対してという意味でも、それから娘の結婚相手の親に対してという意味でも小夜子の態度はありえない。
けれどそれは二人がそれだけ親しくなっているということの証拠でもあった。
真帆の正式な婚約を通してしぶしぶ和正と連絡先を交換した小夜子は、それから時々和正と会っている。
蓮は、迷惑ならばやめさせるから隠さないで言ってほしいとしつこいくらいに言っていて、真帆も初めは気が気じゃなかったけれど、どうやら心配はなさそうだ。
二人は大抵ケーキが美味しいと評判の喫茶店で会うという。実は小夜子は大の甘党でケーキが大好きなのだ。
小さい頃は、ケーキなんて誕生日にしか食べられなかったけれど、その日は子どもの真帆よりも小夜子の方がはしゃいでいた。
だから、
「なんだか餌づけされてるみたいで恥ずかしいわ」
と言いながらも彼女はいそいそと出かけてゆく。そして帰ってからは、和正のことをまんざらでもなさそうに話すのだ。